いまさらだけど「Kindle化リクエスト」ボタンはえげつなくていい。
↑このボタン。
アマゾンでは、Kindle版が出ていない本すべてにこの「Kindle化リクエスト」ボタンが表示されます。
このボタンを購入ボタンの近くに設置するのは、アマゾンにとっては諸刃の剣のはずです。
なぜなら「Kindle版が無いので仕方なく、紙の本を購入するつもりだったユーザー」が、このボタンが画面内にあることによって紙の本の購入を控える可能性があるからです。
「とりあえずKindle化リクエスト投げて様子をみよう」と。
でも、アマゾンは付けています。
買い控えを考えるきっかけになりうるボタン。
そのボタンをKindle化されていない書籍全ての画面に設置しています。
ここにアマゾンの余裕と本気が伺えると思うのです。
同時に、このボタンを設置することでアマゾンは「Kindle版があったら買っていたかもしれないユーザー」の数をデータとして取得しています。
これは、出版社がKindle版を用意しなかったために失った「機会損失の数」でもあるわけです。
つまりアマゾンは紙の本の売り上げを一部犠牲にしながら、出版社を説得(脅迫)するためのデータをせっせと集めているともいえるわけですね。
なかなかにえげつない。
しかし、一向に腹が据わらない様子の国内の出版社を見ていると、アマゾンのえげつなさが頼もしく思えます。
ただでさえ、電子書籍とか関係なく紙の本の売り上げは年々さがっていて、さらにリアル書店の減少でアマゾンの影響力は大きくなっている現状なわけで、時間が経つほどに累積されていくKindle化リクエストは、プレッシャーとなって出版社に圧力をかけてくれるのではないかと期待しています。
そんなわけで全力でアマゾンを応援するとともに、楽天ブックスとか紀伊國屋書店BookWebとかは、早急に「Kobo化リクエスト」ボタンや「Kinoppy化リクエスト」ボタンを付けて欲しいとなと思います。
【余談】
「電子教科書」出版社は複雑な思い 重たい医学書から解放!学生は歓迎の声
府立大によると、電子教科書を販売する条件として、紙の教科書と電子教科書の双方を購入することを挙げる社が複数出てくる可能性があるという。「そうなれば学生の金銭的負担が大きくなり、大学が電子教科書を推奨するわけにはいかなくなる」。高畑学部長はこう憂慮する。
売りたいんだか売りたくないんだか。もはや本末転倒以外のなにものでもないなぁ。