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JSON-LDとRDF

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今年の1月、JSON-LD(Linked Data)が、W3Cによって承認されWeb標準規格になったらしいです。

それに伴い、JSON-LDの創作者でもあり、JSON-LD 1.0仕様に関するリードエディター、JSON-LDコミュニティ・グループの議長であるManu Sporny氏があくまで個人的な意見として下記事を公開していました。

JSON-LD and Why I Hate the Semantic Web
(JSON-LDと、なぜ私はセマンテックウェブを憎むか)

内容は、JSON-LDに関する説明と、主にRDF及びRDFコミュニティに対する痛烈な批判となっています。
個人的にオープンデータの推進に関して示唆に富む記事だとおもったので、紹介します。

今までの流れ

簡単にこれまでのあらすじを要約すると、

2009年にティム・バーナーズ=リーがTEDで「みんなデータをオープンにしてくれ! そしてそれをURIを使って互いにつなげよう!」と講演しました。

これには、多数のエンジニアやデベロッパが「いいぞ、もっとやれ」と大賛成。

ところがその後、しれっと出てきた「オープンデータのための5つ星スキーム」の中で突然RDFなんて単語が出てきて、大混乱。

一部の開発者達が「なんでRDFなんてsuckなデータモデルを使うんだ! Fuck!」と反発し大議論になり、それが現在も続いています。

その辺の議論については下記の記事を。

Does Linked Data need RDF ?
Problems of the RDF syntax
Tim Berners-Lee Doesn’t Seem to Think “Linked Data” Requires RDF

途中、「ティム・バーナーズ=リーはRDFの事なんて言及していない!」みたいな、「言った、言わない」議論とかまで起きて、もはやよくわかりません。

とりあえず抑えておくべきことは「Linked (Opend) Data」は、必ずしもデータモデルにRDFを使わなければならないということではないということと、JSONで「Linked (Opend) Data」を実現するための規格「JSON-LD」の策定が進めれられていたということです。

それらを踏まえた上で、Manu Sporny氏の記事をお読みください。

RDFは、くそいまいましいデータ・モデルです。
 (中略)
RDFを活用するためには、通常、クアッドストア、SPARQLエンジン、およびいくつかの大きなライブラリを必要とします。それらは必要以上に複雑さをソリューションに付け加えるため、標準的なウェブ開発者はそのツールチェインに関心がありません。

あまりにも長い間焦点を見失たままであったので、私はセマンテックウェブの物語を憎みます。そしてそのコミュニティも。(私は今、意識的にそれらから距離を取っています)

それらの目的意識は病的(schizophrenic)です。

セマンテックウェブグループでは「どうすれば現在使用されている一般的なプラクティスを活用して多くの人間がウェブ上で簡単にデータを公開できるようになるか?」といった方法を見つけ出す代わりに、「RDFを通して公開されることが確実であるビックデータをどのように問い合わせることができるか?」について議論して貴重な時間を消費します。

あまりにも長い時間が、彼らが期待する方向に展開しそうもない将来を装うことに費やされます。

というわけで、だいぶご立腹です。
肝心のJSON-LDはどうなったかというと……

この記事の残りの部分は、何故我々がJSON-LDを伝統的なセマンティックウェブ/Link data stack とは異なる方向へ設計することに決定したのかという概要を説明しています。
(中略)
我々は、JSON-LD仕様から複雑なテクノバブルを除くために最善を尽くしました。
(中略)
私は個人的にJSON-LDとRDF 間で互換性を持って欲しかったです……しかし、まあ、それはそれです。
(中略)
大部分のウェブ開発者が今日使用するテクノロジーに基づくので私はJSON-LDが好きです。それは、人々に壮大なビジョンをご購入いただくことなく、幅広く興味深い問題を解決するのに役立ちます。

というわけで、JSON-LDはRDFと袂を分かったようです。

参考

JSON-LD and Why I Hate the Semantic Web | Hacker News
JSON-LD and Why I Hate the Semantic Web | reddit

JSON-LD – JSON for Linking Data