D3.jsの歴史。元になったデータビジュアライゼーションライブラリ一覧
D3.jsの歴史は意外と古く、前身となったライブラリがいくつかありますのでここで紹介してみます。
prefuse
2005年に Jeffrey Heer, Stuart K. Card, James A. Landayらによって作成されたデータビジュアライゼーションツールキットです。
Javaで書かれており、Java SwingアプリケーションやWebアプレットに統合されています。比較的簡単にデータビジュアライゼーションを作成・表示することができるライブラリとして人気を得ました。
prefuse | interactive information visualization toolkit
flare
2007年にJeffrey Heerによって作成されたデータビジュアライゼーションツールキットです。
Action Scriptで書かれており、ある意味prefuseのFlash版といえます。javaからflashに移ったことで、さらに利用者が増えることとなりました。
Flare | Data Visualization for the Web
protovis
2009年、指導者としてスタンフォード大学に移ったJeffrey Heerが、大学院生であったMike Bostockと供に、スタンフォードのVis Groupで作成したJavaScriptベースのデータビジュアライゼーションツールキットです。
プラグインを必要としないネイティブブラウザテクノロジーのみで作成された初めてのツールキットで、D3.jsの直接の前身となりました。
D3.js
2011年、Mike Bostock, Vadim Ogievetsky, Jeffrey Heerによって、満を持して公式に発表されたデータビジュアライゼーションライブラリです。
抽象化されたインターフェイスを備えていたProtovisと異なり、ウェブドキュメント自体を直接操作する仕組み(Data-Driven Documents)が採用されました。
これによって学習コストは上がりましたが、より自由に作品を作ることが可能になり拡張性も向上しました。
総括
プラットフォームや開発言語は変われどprefuseの頃より一貫して、簡単になおかつ高度なデータビジュアライゼーションを作成しWeb上で公開できるライブラリを目指して作成されており、その延長線上に現在のD3があります。
新たに、GISのスペシャリストJason Daviesらが参加したことで、地理情報の可視化など活用範囲をさらに広げることとなりました。
D3コミュニティは多くのデザイナー、エンジニア、アーチストなどによって支えられており、日々様々な作品が作成されD3そのものの改良も頻繁に行われています。
D3に興味を持たれた方は、是非その前身となったライブラリやそれらのコミュニティを覗いてみると、色々と勉強になって面白いのではないでしょうか。