【D3.js】デザイナーにお勧め「インタラクティブ・データビジュアライゼーション」感想
オライリージャパン
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オライリーの伊藤編集長より@FoD5さん経由で、献本をいただきました。
ありがとうございます。
感想
これは、プログラマではない人々を対象としたデータビジュアライゼーションのプログラミングについての本だ。あなたがビジュアルのスキルはあるものの、データやコードをいじったことがないアーティストやグラフィックデザイナなら、この本はあなたに打ってつけだ。あなたが大量のデータを持っているが、ビジュアルやコードを相手にしたことがないジャーナリストや研究者なら、やはりこの本はあなたのためにある。
発売前からたびたびお勧めしているのですが、改めて。
本書はD3.jsの初心者向けオンラインチュートリアル「D3 チュートリアル」を書かれたスコット・マレイさんがオンラインチュートリアルに追記する形で出版された参考書です。
著者自らが、D3の使い方を身に付けていったプロセスに沿って章立てられいるので、読者もステップバイステップでD3の扱い方を学んでいくことができます。
本書のなかでも何度も繰り返し説明がありますが、本書はエンジニアではなくアーティストやデザイナのために書かれた参考書です。
HTMLやCSS、DOMについての説明から始まりますので、ある程度フロントエンドの技術を身に着けたエンジニアにとっては冗長に感じられるかもしれません。
一応、本書でターゲットとして想定されている読者は以下となります。
- 「ワールドワイドウェブ」と呼ばれるこの新しいものについて聞いたことがある。
- HTML、DOM、CSSを少し知っている
- すでにちょっとしたプログラミングの経験がある。
- JQueryについて聞いたことがある。あるいはJavaScriptを以前書いたことがある。
- CSV、SVG、JSONのような聞いたことのない略語が出てきても、怖くならない。
- 役に立つ対話的ビジュアライゼーションを作りたいという気持ちを持っている。
GEOについて
D3.jsの参考書はいくつかありますが、D3を使った地図の描画について詳しく書かれた参考書は今ところ本書だけといえます。
地図を使ったデータビジュアライゼーションに興味のあるかたは、ぜひ本書を手に取ってみてください。
総括
D3.jsの入門書として今のところまちがいなくベストといっていい参考書だと思います。
先の記事でも書きましたが、D3はその前身となったライブラリが生まれたときから、製作者たちが一貫して「データビジュアライゼーションを、一般のデザイナやアーティストにとって身近で簡単に作成できるものにしよう」という目的で作られています。
最近は日本でもD3の注目度が上がってはきていますが、デザイナやアーティストのクラスタにはまだまだ浸透していないようです。
もし、少しでもデータビジュアライゼーションなどに興味がありましたら、本書を手に取ってみてください。
ソフトウェア開発の学習では、コンピュータが理解できる非常に限られた正確な構文で意思を疎通することを学ばなければならず、苦闘が避けられない。
それでも、ビジュアライゼーションを生み出すことには非常に大きな意味があることがわかっているので、私たちはコーディングを続ける。私たちがデータビジュアライゼーションをするのは、今まで見たこともないようなものが見えるようになるのがとても面白いからだ。それは、データが詰まった得体の知れない壺から、魔法の精霊を目に見える形にして生み出すようなものだ。