オープンソース・ジャーナリズムのテクニックが学べるオンライン学習リソース
オープンソースジャーナリズムとは
公開されているオープンデータやソーシャルメディアに投稿された画像や動画などを分析して事件の真相を明らかにしていく調査報道を「オープンソースジャーナリズム」と呼ぶらしいです。
提唱者は、もとゲーマーで現在はオランダに本拠を置く独立系の調査機関「べリングキャット」の創設者エリオット・ヒギンズ氏。
有名なのはBBCがネットで拡散されている動画を分析してカメルーン政府の欺瞞を暴いた事例でしょうか。
BBCの記事を読んで以来、個人的に興味があってこれらの手法について勉強していたのですが、オンラインで受講できる講座をいろいろ見つけたので、同じように興味をもっている人がいると嬉しいなと思って共有してみることにしました。
Adovcacy Assembly
Advocacy Assemblyはジャーナリストと人権活動家のための無料のトレーニングプラットフォームで、会員登録すると様々なオンライン講座を無料で受講することができます。
その中の一つ「open source investigations for human rights」は、公開情報を調査するためのテクニックやツールの使い方などを詳細に解説した内容になっていて非常に勉強になりました。
- Open source investigations for human rights: Part 1 – Advocacy Assembly
- Open source investigations for human rights: Part 2 – Advocacy Assembly
とくに、画像や動画などのメタ情報の調査のしかたや、それらを用いたファクトチェックのやりかた、また写っている内容を分析して撮影場所を特定する方法などが非常に参考になります。
途中、画像や映像から撮影箇所を特定するクイズが出題されますが、ぜひ答えを見ずに手を動かして調査してみてください。
きちんと特定できたときは、達成感があって面白いです。
講義はすべて英語ですがYoutubeの動画プレイヤーを使っていて字幕がついているので、プレイヤー右下の歯車アイコンから「subtitle/cc」->「Auto-translate」->「Japanese」を選ぶことで日本語に翻訳することができます。
ちなみに、レッスンが終わると受講証明書が発行されます。
その他の学習リソースの探し方
「open source journalism」で検索してもあまり具体的なテクニックについての学習リソースを見つけるのは結構難しいです。
Advocacy Assembly では、これらの手法を「Open Source Investigations」と名付けていますが、「Visual Investigation」と呼ぶメディアもあります。
表記揺れが激しいのは、もともとこれらの調査テクニックは「OSINT ( Open Source Intelligence )」と呼ばれることが多かったのですが、主にEthical Hacking(エシカル ハッキング)界隈で使われていた用語なのでイメージが悪いのか、やたら別の名前を定着させようとするメディアが多いようです。
まぁ、言ってしまえば2chの「特定班」などが使っていたテクニックを調査報道に活用しようという話に近いのでそのまま使うにはイメージが悪いというのはわからなくもないですが、個人的には今まで積み上げられてきたものをちょっと汚れているからといって名前を変えて、表面だけきれいに取り繕って美味しいところだけいただこうというのは不誠実だなと思ったりします。
話はそれましたが、とりあえず検索するときは「OSINT」という用語を中心に調べていくと見つけやすいです。
ちなみにYouTubeでのおすすめはこちら。
UdemyでもOSINTで検索すると該当する講座がたくさんみつかります。
自分が購入したのは上記の2講座。
ただ、講座によっては値段にわりにお粗末な内容のものも多そうなのでレビューをよく確認するなどしてください。
OSINT の手法もそんなにバリエーションがあるわけでもなく、同じような内容の繰り返しになるのでぶっちゃけ上記 Advocacy Assembly の講座だけ見れば良いような気がします。
一応いろいろ見てみましたが、結局 Advocacy Assembly の講座が一番内容が深かったです。
関連するドキュメンタリー
下記2作品はどちらも、ソーシャルメディアを使って情報を発信している側のドキュメンタリーです。
オープンソース・ジャーナリズムは、こういったリスクを負いながらも情報を発信している人々によってなりたっているとも言えるので発信している側を知ることは大事ですね。